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河北潟(石川県津幡町)に人工巣塔を立てさせていただきました。

3月10日(水曜日)の午前、河北潟(石川県津幡町)に人工巣塔を立てさせていただきました。

河北潟では2019年から野生のコウノトリと、

巣立ちした翌日に母鳥を亡くしたJ0230♀(2歳)が一緒に過ごしており、

野生個体が巣材を運ぶ姿も観察され

2羽の季節ごとの塒も地域の方から情報を寄せられていましたので

何とか、この2羽のために人工巣塔を立てたいと河北潟干拓土地改良区にお願いに行きました。

(※2020年京丹後市島津電柱巣から巣立った3羽に足環が装着されなかったため、当会に寄せられている情報では、   J0230と過ごしている足環のない成鳥が、野生と断定できる唯一の個体であることから)


NPO河北潟湖沼研究所、日本野鳥の会石川県支部の皆さんをはじめ

地域で活動されている方のお話しもお聞きし

河北潟干拓土地改良区のご厚意により、農家の皆さんのご意見を伺い

設置場所を選定していただくなど、大変なご苦労をおかけしました。


設置にあたりましては、4つの課題がありました。

①地盤が軟弱 ②雷が多い ③強風が吹く ④地域で守られているチュウヒの繁殖への影響

①~③は、河北潟で電柱を立てられている業者の方のご意見をお聞きし

対策をしていただきました。

④については、繁殖の邪魔にならないよう選定場所を変更し、コウノトリが飛来した場合の手立てを考えることで

この場所に決めさせていただきました。

人工巣塔周辺には、無農薬米に取り組んでおられる田んぼがあり

「コウノトリ市民科学」には大きなドジョウを捕食する姿が送られています。

レンコン畑では、アメリカザリガニを好んで食べていました。

河北潟は石川県のほぼ中央に位置し、金沢市、つばた町、内灘町、かほく市にまたがる県内一の大きな潟です。

古くから、人々に親しまれ守られてきました。


潟の朝焼けや夕日の美しさは干拓された後も変わることなく、潟に集う豊富な魚の群れや、シベリアから飛来するハクチョウやガン、カモ、チドリなどの渡り鳥も多く見られ、野鳥の宝庫です。

どうか、この仲間の中へ『人里で暮らすコウノトリ』も入れていただき

地域の自然の豊かさの象徴として、「いっしょに暮らそうね」と迎えていただけると嬉しいです。


河北潟干拓土地改良区、NPO河北潟湖沼研究所、日本野鳥の会石川県支部をはじめ

地域の皆さんのご協力のもと、人工巣塔を立てさせていただき、本当にありがとうございました。

(この事業は、日本経団連自然保護基金の支援を受けています)

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